議会報告

  • 中村広美朗議員
    令和5年2月定例会 代表質問(中村 広美議員)要旨(令和5年2月28日)


    1 新型コロナウイルス及び原油価格・物価高騰対策

    (1)新型コロナウイルス感染症対策
    ・5類感染症移行後における高齢者施設対策について問う。
    (健康医療部長答弁) これまで、高齢者施設のクラスター対策として、クラスター対応強化チームOCRT(オーサート)による感染対策支援や施設の協力医療機関による治療への支援、さらには府の登録医療機関による往診などを行ってきました。
    5類感染症への位置付け変更により、新型コロナウイルスは原則として全ての医療機関が対応する一般医療に移行することから、協力医療機関等による治療対応等施設等における感染症への対応力が極めて重要となってまいります。また、集団発生等の恐れがある場合には、引き続き保健所が感染拡大防止の助言等を行いながら対応してまいります。
    府としては、国に対し、施設の感染防止対策や治療提供の充実等に向けた財政的措置を要望しておりますが、3月上旬を目途に国から示される具体的方針等を踏まえ、福祉部とともに、施設が自主的に感染症対策を行えるよう支援してまいります。


    (2)原油価格・物価高騰対策
    ①府立学校の給食費無償化について問う。
    (教育長答弁) 府立学校の学校給食費につきましては、新型コロナウイルスの影響が長期化する中、物価高騰に直面する保護者の負担を軽減するため、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して、令和4年度3号補正予算で今年度の無償化を実施いたしました。
    無償化の対象となった児童生徒は42校約9,600人で、負担の軽減につながったとの声を学校に伝えた保護者もいらっしゃるという風に聞いております。
    一方で、学校給食費の費用負担は、学校給食法によりまして保護者の負担とされておりますが、義務教育につきましては国の責務であり、給食費の負担のあり方につきましても、国においてまず検討すべきものという風に考えております。
    加えて、学校給食法制定当時とは少子化の進展等状況も異なってきておりますことから、長期的な視点での検討も必要という風に考えておりまして、本年2月に全国都道府県教育委員会連合会を通じて国に対しまして緊急要望をしたところでございます。
    今後の給食費につきましては、臨時交付金等、国による財政措置の状況を踏まえ検討をしていきますとともに、引き続き、様々な機会を通じまして国による財政措置がなされますように要望してまいります。


    (【再質問】知事答弁) 今般、この新型コロナウイルス禍の中で、臨時交付金を活用して給食費、これは府立学校、支援学校になりますけれども、無償化というのを実施いたしました。今後、これをどうするかということについては、やはりまず、当然、支援学校には様々な就学支援制度というのもございます。
    そういったものも踏まえてこの給食無償化をどうするかということについては、やはり国においても、きっちりと判断をしてもらいたいというところがありますので、国に対して、まずこの財政措置が行われるように要望してまいりたいと思います。


    ②中小企業の賃上げに向けて所見を問う。
    (知事答弁) 急激な物価上昇を踏まえてですね、賃上げは必要だと思っています。そのためには、まず、中小企業が賃上げに踏み切れる、そういった環境の整備が重要です。
    府としても、企業が賃上げの原資を確保できるように、中小企業の生産性の向上であったりあるいは下請取引の適正化であったりとそういった経営支援に取り組んでいるところであります。今後、経済団体とも意見交換をしながら、中小企業の賃上げが円滑に行えるように、国や経済団体に働きかけをしていきます。


    2 大阪・関西万博

    (1)機運醸成
    ①府内市町村と連携した万博PRについて問う。
    (万博推進局長答弁) 大阪・関西万博の成功に向けて、府内市町村や民間企業等に、万博を冠した様々なイベント等を開催いただくことは、府域全体で万博を盛り上げていく上で有効であると認識しております。
    お示しの来年度当初に設置する「地域連携タスクフォース」は、府市の関係部局や経済界で構成することとしており、民間企業等が開催する大規模イベント等に、万博のPRを盛り込んでいただくよう呼びかけていくこととしております。
    あわせて、そうしてマッチングした万博関連イベント等を、例えば開催時期で束ねて一連の応援キャンペーンとなるようコーディネイトすることで、官民一体でプロモーションを実施するなど、効果的な情報発信につなげていきたいと考えております。
    加えて、市町村に向けましては、大阪・関西万博推進本部の地域連携イベント部会が窓口となりまして、タスクフォースと情報共有・連携協力することによりまして、地域の催事等におきましても、これまで以上に万博の色合いを強めていきたいと考えております。
    今後、このタスクフォースのもと、市町村や経済界とのオール大阪で、万博関連イベント等を府域全体で展開することで、機運の盛り上げを大いに進めていきたいという風に考えております。


    ② 児童・生徒に向けた機運醸成の取組みについて問う。
    (万博推進局長答弁) 将来を担う若い世代に、万博の理解を深めていただくことは、万博認知度の押し上げにもつながることから、議員お示しの教育プログラムの取組みは有効であると認識しております。
    小中学生に向けましては、大阪・関西を対象に、これまでも博覧会協会が教育プログラムを展開してきており、今年度からは、全国の学校に拡大し、理解促進を図っているところでございます。
    さらに、高校生に向けましては、現在、教育庁との連携のもと、生徒が興味を持ちやすいよう、この年齢層に支持されている著名人を全体の進行役とした、動画による学習教材を作成しており、来年度から、府内の高校の授業の中で活用してまいります。
    あわせて、府外への展開に向けましては、全国知事会などを通じて、教材の提供や授業での活用を呼びかけていくこととしております。
    今後とも、未来を担う若い世代に万博への期待感を高めていただき、会場でかけがえのない経験や、記憶に残る体験をしていてだけるよう、しっかりと取り組んでまいります。


    (2)ボランティアの今後の進め方
    ・万博におけるボランティアの今後の進め方について問う。
    (万博推進局長答弁) 万博のボランティアにつきましては、現在、大阪・関西万博推進本部の参加促進部会におきまして、対象年齢や活動内容、配置場所などに関しまして、具体的な協議を重ねております。
    このうち、対象年齢につきましては、東京オリンピック・パラリンピックでは年齢の上限を設けず、18歳以上とされていたことなど、過去の事例も参考にしながら、応募条件を詰めているところでございます。
    今後、年度内に運営事業者の募集を開始し、来年度夏頃にボランティアセンターを設置した上で、年度後半におきましてボランティアの公募を実施することとしております。
    引き続き、幅広い年齢層の方々にボランティアに参加いただき、万博運営の当事者として記憶に残る体験をしていただけるよう、着実に準備を進めてまいります。


    (3)万博開催時の中小企業の活用策
    ・万博開催時の中小企業の活用策について問う。
    (商工労働部長答弁) 中小企業が「万博商談もずやんモール」を活用し、万博関連の調達に参入する機会が得られれば、中小企業の万博に対する親近感や参加意識がさらに増すことが期待されます。
    この好循環を生み出すには、もずやんモールが多くの受発注情報が集まる活発な取引の場となることが必要です。このため、府内中小企業の情報登録に向けた広報・周知、専門の発注開拓スタッフによる発注案件の確保などに取り組み、受注側・発注側の双方にこのシステムが広く浸透するよう、注力してまいります。
    併せて、博覧会協会や万博推進局が実施するリアルなイベント等とも連携し、万博の理念とともに、このシステムの存在を啓発することで、相乗効果が高まるよう取り組んでまいります。


    (4)バス事業者の脱炭素化促進事業
    ・万博を契機としたバス事業者の脱炭素化促進事業について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 日本国際博覧会協会が改定を予定している「EXPO2025 グリーンビジョン」におきましても駅シャトルバス等として路線バスタイプの EV バスを運行するとしており、万博におけるカーボンニュートラルの実現に貢献するため、必要台数を確保することが重要でございます。
    本年7月に国の補助金で不採択となったEVバス11台につきましては、府市の要望後、国が実施した令和4年度補正予算による追加補助に申請し、全てに対して改めて補助金の交付が内定されました。これにより、申請のあった18台の導入が確実となりました。
    引き続き、補助金の拡充と、府域への重点的配分を国に強く要望するとともに、府市の補助を継続し、府域の事業者がEVバス等を計画的に導入できるよう支援してまいります。


    3 安全・安心のまちづくり

    (1)G7貿易大臣会合の安全安心な開催
    ・G7貿易大臣会合の安全安心な開催について問う。
    (政策企画部長答弁) G7大阪・堺貿易大臣会合の安全・安心な開催にあたりましては、様々な危機事象を想定し、関係機関と連携しながら対策を進めることが重要と認識しております。
    そのため、警備体制の構築や自然災害、感染症への対応などについて、G20サミットの開催経験も活かし、府警察や消防など関係機関と連携し、検討を始めているところでございます。
    また、大阪市につきましては、会合会場や宿泊場所となることが想定されておりますことから、情報共有を行いながら、医療提供体制や交通規制対策等について緊密に連携し、対応してまいります。
    会合を無事に開催することで、大阪が安全・安心に国際会議を開催できる都市であることを広く世界に発信し、大阪・関西万博の成功につなげてまいります。


    (2)地震被害想定の見直し
    ・地震被害想定の見直しについて問う。
    (危機管理監答弁) 本府では、平成18年度に直下型地震、平成25年度に南海トラフ巨大地震の被害想定をそれぞれ公表しております。これを踏まえ、平成27年に令和6年度までの10年間を計画期間とする「新・大阪府地震防災アクションプラン」を策定し、防潮堤の液状化対策や密集市街地対策をはじめとする地震津波対策に着実に取り組んできたところでございます。
    被害想定公表から10年以上経過し、土地利用の高度化など社会環境の変化やアクションプランによる対策が進んできたことから、来年度、新たに学識経験者で構成する検討会を設置し、国における検討状況や、科学的・客観的な立場からの知見等も踏まえ、直下型・海溝型ともに被害想定の見直しを行ってまいります。
    今後、被害想定の見直しにより把握した避難者数などの被害の規模や様相などを踏まえ、府地域防災計画及び次期アクションプランに防災・減災に向けた具体的な取組みを反映するなど、大阪府全体の災害対応力のさらなる強化に努めてまいります。


    (3)地下河川、下水道増補幹線
    ・地下河川、下水道増補幹線の今後の進め方と効果及び情報発信について問う。
    (都市整備部長答弁) 寝屋川流域北部に位置する北部地下河川につきましては、令和8年の完成をめざし城北立坑の整備を進めるとともに、完成後、立坑上流部の鶴見調節池の整備に速やかに着手できるよう準備しているところです。また、お示しの寝屋川流域南部の下水道増補幹線につきましては、令和5年度、枚岡河内中央増補幹線に着手する予定で、これらの整備が完了すれば、流域北部で約6,200ha、流域南部で東大阪市、大東市の約1,600haの地域で被害を軽減することができます。
    次に、情報発信の取組につきましては、これまでも城北立坑の見学施設や流域市と共催する施設見学会などにより、PRを行ってまいりました。今後は、治水施設や水辺空間を巡るウォークイベントなどを通じて、府民に幅広く関心を持っていただけるよう取り組んでまいります。
    引き続き、寝屋川流域の治水施設の整備に取り組むとともに、積極的な情報発信を行い、府民の安全・安心の確保に努めてまいります。


    (4)UDタクシー
    ・UDタクシーの普及促進に向けた今後の取組みについて問う。
    (都市整備部長答弁) ユニバーサルデザインタクシー、いわゆるUDタクシーの普及促進に向けて、令和5年度から、国の補助制度とあわせ、購入1台あたり最大90万円の補助が受けられるよう、府の補助制度を拡充する予定です。
    加えまして、国や大阪タクシー協会等と連携し、タクシー事業者、リース事業者をはじめ販売店に対し、今回拡充する補助制度を紹介するチラシの配布や、タクシー事業者が参加する国主催の会議の場などにおいて情報発信を行い、少しでも制度を活用いただけるよう周知の強化を図ってまいります。
    引き続き、様々な機会をとらえて補助制度の周知に努めるとともに、国に対し重点的な予算配分を働きかけるなど、関係者一丸となって取り組んでまいります。


    (5)特殊詐欺の犯罪情勢と各種対策
    ①特殊詐欺の検挙対策とSNS対策について問う。
    (警察本部長答弁) お示しのとおり、特殊詐欺の被害につきましては、極めて厳しい情勢にあります。
    特に被害が拡大している還付金詐欺は、出金の場所の多くが関東圏となっていることから、出金場所を管轄する警察等と連携した取締りを進めているほか、キャッシュカードを狙った詐欺や窃盗においては、犯行グループからの電話が多発する地域における警戒態勢を強化し、受け子等の現場検挙を徹底しているところであります。
    また、犯行グループ等の壊滅に向け、上位被疑者の突き上げ捜査を徹底するとともに、事件の背後にある暴力団や準暴力団の構成員等の犯罪組織に対する多角的な取締りを推進しております。
    さらに、犯行グループが「闇バイト」等と称して「受け子」等をツイッター上で募集している実態を踏まえ、「受け子」等を募集したり、自ら「受け子」等になろうとしている書き込みを行っている者に対して、大阪府警察と明示したうえで直接警告文を送信しているほか、「闇バイト」、「受け子」等の言葉を検索した利用者に対して注意喚起メッセージを表示する取組を推進しております。


    ②高齢者に対する被害防止対策について問う。
    (警察本部長答弁) 特殊詐欺の被害の中心である高齢者に対する被害防止対策といたしましては、自治体の広報誌や府警で作成する防犯広報資料等を活用し、被害防止に関する情報を発信しているほか、民生委員や社会福祉協議会等を通じた広報啓発活動に努めております。
    また、受講者にも詐欺の手口を再現した寸劇に参加していただく被害体験型の防犯教室を実施しております。そのほか、犯行グループとの通話を遮断することが被害防止に効果的であることから、防犯機能付電話機の普及促進や在宅時における留守番電話機能の活用の促進等にも取り組んでおります。
    府警では、本年も「特殊詐欺の撲滅に向けた総合対策の推進」を重点目標の一つとして掲げており、引き続き、組織総合力を発揮した検挙対策及び被害防止対策に取り組んでまいります。


    (6)動物取扱業者への指導
    ①動物取扱業者への指導の経緯について問う。
    (環境農林水産部長答弁) 当該事業者につきましては、令和3年3月以降、「1つの狭いケージに複数の犬が入れられている」などの複数の相談がありましたため、任意の協力のもと、令和4年5月末までに8回の立入調査を行い、適切な飼養を求めてきましたが、虐待を疑うような事実は確認できませんでした。
    法改正後、令和4年6月以降には数値基準の遵守状況の確認などのため立入調査を13回実施いたしました。8月にはケージの基準に適合していなかったため、法に基づく改善勧告を行い、12月の立入調査で改善を確認いたしました。立入調査の際にはその都度、個々の犬の健康状態を確認しておりますが、虐待の事実は確認できませんでした。
    また、法に基づく報告書を確認したところ、国の示す全国平均と比べて、死亡数が多かったことから、11月には令和4年12月1日から令和5年3月1日までに死亡したすべての犬にかかる検案書等の提出を求める命令を行ったところでございます。


    ②動物取扱業者への一連の府の対応について見解を問う。
    (知事答弁) 動物虐待は犯罪であり、絶対に許してはならないと思っています。
    特に、動物取扱業者には、動物愛護に関する高い倫理観とそれに基づく適切な事業活動を行うことが求められます。
    改正された動物愛護管理法を適切、かつ効果的に運用し、その権限に基づき、法に違反する不適切な事業者に対しては、厳しい姿勢で対応をしていきます。また、行政指導には限界があることも事実でありますが、相談等により得られた情報に敏感に対応して、警察との連携をより一層密にして、手遅れにならないよう厳しく対処していきます。


    4 セーフティネットの構築

    (1)ギャンブル等依存症対策
    ①相談体制の充実や必要な支援に繋がる体制整備について問う。
    (健康医療部長答弁) 第2期計画では、ギャンブル等依存症に悩むご本人やその家族等が、早期に必要な支援につながることができるよう、気軽に相談できる相談窓口の整備や切れ目のない支援体制の充実に取り組むこととしています。
    具体的には、昨年試行的に実施したSNS相談「大阪府依存症ほっとライン」を通年で開設するとともに、24時間365日対応可能なLINEを活用したAIによる自動相談システムを令和5年度中に整備することとしています。
    また、大阪アディクションセンター(OAC)の連携体制がより強固なものとなるよう、民間団体における複合的な支援が必要な事例について、関係機関の協力を得ながら連携方策について検討し、その結果を支援モデルとして共有・蓄積していきます。


    ②普及啓発や予防教育の強化について問う。
    (健康医療部長答弁) 普及啓発の取組みとして、5月の啓発月間に、市町村や関係事業者等と協力して、相談窓口の周知をはじめ、集中的な取組みを行うとともに、依存症に悩むご本人等が必要な情報にアクセスできるよう、各種情報を一元的に集約したポータルサイトを、本年秋までを目途に整備することとしています。
    また、若年層への早期の予防教育が重要であることから、教育庁との連携により、全ての高等学校等において、ギャンブル等依存症に関する予防啓発授業等が行われるよう、啓発資材を新たに作成するとともに、教員向けの研修を計画的に実施していきます。


    (2)出産・子育て応援交付金
    ・出産・子育て応援交付金について問う。
    (健康医療部長答弁) 国の要綱では伴走型相談支援として、妊娠届出時、妊娠8か月時、出生後の面談等を通じて、寄り添った支援を行うこととされています。
    このうち、妊娠8か月時における面談やアンケートは、多くの市町村にとって初めての取り組みになり、その際早産や流産・死産をされた方を含めて、個々の妊娠経過に応じた対応を行うことが重要になります。
    このため、2月に実施した母子保健コーディネーター研修では、早産児支援に関するツールや、先行市町村でのグリーフケアの取組み事例などを情報提供したところです。引き続き市町村が円滑に伴走型相談支援に取り組めるよう、先行事例や対応策の共有など必要な支援を府としても実施していきます。


    (3)医療的ケア児支援センターの設置
    ・医療的ケア児支援センターの設置について問う。
    (福祉部長答弁) 医療的ケア児及びその家族の皆さんが、府内のどこに暮らしておられても、個々に必要とする支援が受けられ、地域社会で安心して暮らせる体制づくりが必要と認識しております。
    お示しの医療的ケア児等コーディネーターは、医療、保健、福祉、教育等の多分野にまたがる課題につきまして、医療ケア児等にとって身近な地域での相談窓口となり、的確な見立てのもと支援の利用を調整しながら、総合的かつ包括的な支援の提供につなげる役割を担うものでございまして、府といたしましては、医療的ケア児等の地域生活を支える人材として育成に取り組んでいるところでございます。
    こうした地域の相談支援の核となるコーディネーター、それと本年4月中に設置予定であり、関係機関との連携・調整を担う医療的ケア児支援センターが連携を図ることによりまして、医療的ケア児、家族、支援者等を地域全体で支える仕組みを構築していくことが重要と認識しております。府といたしましては、センターを中心としつつ、市町村がネットワークを整備し、課題把握や対策を講じる取組みに対しまして必要な支援を行ってまいります。
    今後とも、医療的ケア児及びその家族の皆さんが安心して生活できるよう、関係機関との緊密な連携のもと、医療的ケア児への切れ目のない支援の充実に取り組んでまいります。


    (4)児童虐待防止対策
    ・検証を踏まえた児童虐待防止対策について問う。
    (福祉部長答弁) 児童虐待対応におきます市町村の役割、ますます大きくなっておりまして、市町村の専門性の向上を図ることは重要と認識しております。
    お示しの点検・検証専門部会の検証結果を踏まえ、再発防止に向けた取組みを着実に進め、府といたしまして市町村を支援していくことは不可欠であると思っております。
    いただいた、専門部会からいただいた提言をもとに、「大阪府市町村児童家庭相談援助指針」を改訂する予定としております。その中ではアセスメントの際の重要な視点として、身長体重の推移といった客観的情報を踏まえることや、保育所等の欠席が増える等リスクの高まった可能性がある場合などには、適時適切に個別ケース検討会議を開催することにつきまして具体的に示すこととしております。
    加えまして、市町村職員向けに配信しております研修動画にもこうした点を盛り込んでまいります。
    また、市町村におきます組織的体制のさらなる強化も必要と認識しておりまして、市町村児童家庭相談担当及び専門職のスーパーバイザーの配置基準につきまして、児童福祉関係法令に明記の上、併せて財政措置も講じるよう国に要望してまいります。
    今後とも、引き続き、府子ども家庭センターと市町村が連携いたしまして児童虐待対策にしっかりと取り組んでまいります。


    (5)健康寿命延伸の取組み推進
    ・健康寿命延伸の取組み推進について問う。
    (健康医療部長答弁) 府はこれまで、企業に対し、従業員の健康づくりに向けた取組みを促すため、健康経営セミナーや健康づくりアワードを実施し、好事例やノウハウの共有を進めてまいりました。
    また、健康づくりを、企業をはじめとするオール大阪体制で推進するため、令和元年度に健活おおさか推進府民会議を設置し、現在までに100を超える企業に参画いただき、ブース出展や広報などにご協力いただいているところです。今後は商工労働部や経済団体とも連携し、健康関連企業や健康経営セミナー受講企業などに呼びかけ、府民会議の参画企業を増やしていきます。
    さらに来年度は、食生活やがん検診の受診など、「健活10」のテーマごとに集中取組期間を設け、企業内での取組みや公民一体となったプロモーション活動を呼びかけ、万博に向け、健康寿命延伸につながる取組みを企業にも促していきます。


    (6)食の安全安心の取組み
    ・万博に向けた食の安全安心の取組みについて問う。
    (健康医療部長答弁) 府民や事業者からいただいた食品衛生に関する相談は食の安全安心の向上につながる貴重な情報であり、ご相談いただいた場合は迅速に立入り調査や指導を行う等、これに対し適切に対応することが重要であると認識しています。
    例えば議員お示しの冷蔵ショーケースの衛生保持に関しましては、情報が寄せられてから速やかに適切な管理を促す事業者向けのチラシを作成し、業界団体の協力を得て周知を行ったところです。今後、スーパー等の立入検査の際にも併せて周知を行っていきます。
    引き続き、府民はもちろん、国内外からの来阪者が安心して大阪の食文化を楽しんでいただけるよう、府民や事業者の貴重な情報も積極的に活用しながら、適切に監視指導を行っていくとともに、事業者の自主的な取組を促進していきます。


    (7)介護・福祉人材確保戦略の見直し
    ・介護・福祉人材確保戦略の見直しについて問う。
    (福祉部長答弁) 介護・福祉分野におきましては、将来的な人材不足が懸念されております。とりわけ介護分野におきましては、深刻化する人材不足は喫緊の課題でございまして、その対策が不可欠と認識しております。
    このため、中長期的な視点に立った、対策の一層の強化に向け、今年度中に「介護・福祉人材確保戦略」を見直すこととしておりまして、見直しにあたりましては、重点的に取組む項目といたしまして、3つ、すなわち1つ目は、将来の福祉を担う人材の確保に向け、教育機関等との連携による、低年齢層や青少年期から福祉の仕事への理解と関心を深めていただくための機会の提供。2つ目は、国内人材だけでなく、外国人介護人材の活用にも視野を広げていただくための施設等への受入れ支援や日本語学習、資格取得に向けた支援。3つ目は、全国に比べ高い傾向にある早期離職率を改善し、人材の流出を防ぐための早期離職防止と業務改善による職場定着の促進。この3つを設定する予定でございます。
    今後戦略を見直した上で、その具体化に向け、関係団体や事業者等の協力をいただきながら具体的な取組みを進めてまいります。


    (8)インターネット上の誹謗中傷や差別に対する相談事業
    ・インターネット上の誹謗中傷や差別に対する相談事業について問う。
    (府民文化部長答弁) インターネット上の人権侵害に関する相談対応のあり方につきましては、相談者がより安心して相談できる環境を整え、充実させていくことが重要であると考えております。
    有識者会議からも、こうした点を踏まえまして、被害者や加害者からの相談を幅広く受け止めることができる専門の窓口の整備の必要性について意見がありましたことから、府としても、新たに相談窓口を設置し、支援の充実を図ることとしたところでございます。
    この相談窓口では、人権侵害情報の削除要請や発信者の情報開示に関する手続等のサポートを行いますととともに、精神保健福祉士などによる相談も行う相談者の心のケアについても十分に対応していくなど、相談者に寄り添いながら、適切かつ継続的な支援を行ってまいります。
    今後とも、こうした取組みを着実に実行していくことにより、インターネット上の人権侵害に悩む府民への支援をしっかりと進めてまいります。


    5 教育の振興

    (1)府立高等学校の再編整備
    ・府立高等学校の再編整備について問う。
    (教育長答弁) 昨年12月に公表しました府立高等学校再編整備方針(案)におきましては、社会のニーズを踏まえた教育内容の充実、就学機会の確保を前提とした効果的かつ効率的な学校配置という考えのもと、活力ある学校づくりをめざした再編整備を推進することとしております。
    活力ある学校づくりを進めるためには、様々な選択科目の開講や展開授業など生徒の学習ニーズに応える学習活動や、学校行事、部活動などの教育活動の充実を図る必要がございます。そのためには、一定の学校規模を確保することが必要と考えておりまして、その観点でこれまで再編整備を進めてきたところでございます。
    引き続き、募集停止校の決定に当たりましては、府立学校条例のもと、志願状況に加え、教育課程や教育活動といった学校の特色、さらに公共交通機関の整備状況、高校の設置状況といった地域の特性も勘案した上で総合的に判断し、募集停止を行ったとしても、対象校に通っている生徒の出身地域に在籍する中学生が、高校の就学を断念するような事態が生じないかの確認を行いまして、決定をしてまいります。


    (2)教室不足の解消等
    ・知的障がい支援学校等における教室不足の解消等について問う。
    (教育長答弁) 知的障がい支援学校の在籍者数の増加に対応し、児童生徒の教育環境を確保するために、新たな支援学校の整備等により、設置基準の不適合や教室不足の解消を今後10年以内にめざしていきたいと考えております。
    まず、来年度は、在籍者数が増加する豊能地域及び大阪市内において教室不足が多く生じており、設置基準で示された「学級編制基準」及び「校舎面積基準」を満たしておらず、学校整備による早急な対策が必要と判断しました、豊能地域の豊中支援学校と、大阪市内北東部の思斉支援学校の対策に着手することといたしました。
    豊中支援学校におきましては、これまで豊能地域で新校の整備に取り組んできていないこと等から、唯一の知的障がい支援学校である同校の在籍者数は直近5年間で100人程度増加し、府立支援学校の中で最も多い状況となっております。
    また、思斉支援学校におきましては、直近5年間で60人程度在籍者数が増加し、校舎面積に対して、基準を満たすことができる児童生徒数を100人程度上回るという状況にございます。
    こうした現状を踏まえ、まずは、対策が急務である2校の教育環境を改善するために、学校整備に着手することとしたものでございます。
    今後、児童生徒数の動向や、現在着手済みの新たな学校の開校により想定される効果も踏まえ、その他の地域におきましても、順次着手できるように、しっかりと取り組んでまいります。


    (3)不登校支援
    ・大阪府における不登校支援について問う。
    (教育長答弁) 不登校児童生徒は、コロナ禍の3年間でさらに増加をいたしておりますけども、その要因背景は様々であるため、一人ひとりの子どもの状況に応じて寄り添い、学びの保障を確実に行っていくことが重要と考えております。
    府教育庁としましては、これまでから、子どもの状況をつかむために作成したスクリーニングシートを活用すること等により、不登校の兆しを早期に把握するとともに、専門家を配置し、スクールカウンセラーによる心理的ケアや、スクールソーシャルワーカーと連携して家庭環境の改善等、必要な支援につなげてまいりました。
    加えて、来年度から、不登校の課題が大きく、校内教育支援ルームを設置する府域約100の小中学校に、不登校やその兆候のある児童生徒のペースに添った学習や相談、ICTによる学習支援を進めるために、必要な事業予算案を今議会に提出したところでございます。
    高等学校におきましては、府教育センターに教育支援センターを設置し、在籍校と連携して一人一台端末を活用した学習支援や面談等による心理面のサポートを行うなど、生徒の状況に合わせた支援を行っているところでございます。
    府教育庁といたしましては、チーム学校として、生徒の悩みや不安を早期に把握するとともに休みがちな生徒を支援することができるよう、各学校の教育相談体制のさらなる充実を図ってまいります。


    (4)私立高校等授業料の無償化
    ・私立高校等授業料の無償化について問う。
    (教育長答弁) 令和6年度以降の授業料無償化制度につきましては、公私立高校生の保護者を対象としたアンケート調査の結果等を用いて、現行制度の検証を行いますとともに、無償化制度の趣旨も踏まえて検討を進めてまいりました。
    アンケート調査では、現在、支援対象となっている世帯のほか、支援の対象となっていない年収910万円以上の世帯におきましても、授業料等の負担が重いと感じている世帯が一定数存在したという結果でございました。
    これらの検証結果を踏まえ、様々な検討を行ってまいりましたが、制度のあり方を含め、抜本的な検討を行うため、検討をさらに継続し、令和5年度の早い時期に制度内容をお示ししたいという風に考えております。


    (5)学習環境の改善
    ・府立学校の学習環境の改善について問う。
    (教育長答弁) 子どもたちの学習環境の改善について、府立高校では、空調設備を平成16年度に導入し、令和3年度から令和5年度にかけまして更新を進めております。
    支援学校では、特別教室の空調機を平成30年度から令和5年度にかけて、全ての支援学校に設置をする見込みでございます。
    また、夏季の体育授業や部活動時の熱中症対策として、令和元年度から令和5年度にかけて、府立学校の体育館に空調機の設置を進めております。
    子どもたちにとって、学校は長い時間を過ごす重要な場所でありますことから、令和6年度以降もトイレの洋式化をはじめとする学習環境の改善を計画的に進めるために、整備手法などを検討し、関係部局と協議をしてまいります。


    6 大阪の再生・成長

    (1)改定版副首都ビジョン
    ・改定版副首都ビジョンについて問う。
    (知事答弁) これまで、財政再建の成果をもとに、次世代への投資を積極的に進めてきましたが、大阪の持続的な成長・発展には、今後さらに、若者や女性の活躍支援を強化していくことが重要だと考えています。
    そのため、今回のビジョン改定案においても、「チャレンジを後押しする機能」、「暮らしやすさ、働きやすさ、楽しさを高める機能」として、失敗を恐れずに、何度でもチャレンジできる就業機会や、女性をはじめ、誰もが活躍できる環境の充実を図ることとしています。
    こうした「人中心」の取組を、経済団体や各企業など、オール大阪に広げ、しっかりと進めることで、府民をはじめ、国内外の多様な人材を惹きつける副首都・大阪を実現していきます。


    (2)市町村DX支援
    ・市町村DX支援について問う。
    (スマートシティ戦略部長答弁) 議員お示しのとおり、デジタル化につきましては府内市町村の取組み状況に差があるという現状を踏まえ、住民向けサービスのデジタル化と自治体そのもののデジタル化の両面から、広域自治体としての市町村を支援していくことが重要と考えております。
    住民向けサービスにつきましては、今年度、本府からの働きかけもあり、統合アプリやLINE公式アカウントで市町村と住民をつなぐデジタルの窓口が全国で初めて府内全市町村で整備されたところでございます。さらに先行している市町村では、子育て等の情報を希望する住民が受け取れるサービスが展開されております。このようなサービスを標準的なものとして横展開するため、新たに導入する市町村に、サービスの共同調達と補助金による支援を来年度実施する予定でございます。
    次に、自治体のデジタル化に資する事業といたしまして、市町村単独では確保が難しいデジタル専門人材について、複数市町村が共同で確保する仕組みづくりを進めております。セキュリティ面をはじめ様々な専門的助言等を行える人材を府が選定するとともに、補助金による支援で後押ししてまいります。現在、具体的なニーズを市町村にヒアリングしており、来年度15団体程度とともに実施していく予定でございます。
    今後とも、全市町村の状況を把握し、ニーズを丁寧に汲み取りながら、市町村を支援してまいります。


    (3)スーパーシティ
    ・スーパーシティ等におけるヘルスケア分野の取組みについて問う。
    (スマートシティ戦略部長答弁) スーパーシティ全体計画では、大阪の強みであるヘルスケア分野を柱に据え、「豊かに暮らす健康長寿社会」をめざすこととしております。その取組みとして、9月議会でお答えした先端国際医療環境の整備に加え、将来的には、データ連携基盤ORDENを通じて健康、医療、介護、スポーツなど多様なデータを繋げた次世代PHRを核に、AI等最新のデジタル技術を活用し、高度化された様々な先端的サービスを提供するなど、住民QoLの向上に繋げてまいります。
    併せまして、議論の過程で経済界からいただいた意見も踏まえ、データ活用が新たなサービスを生む「データ駆動型社会」をめざすことで健康・医療サービスの高度化や産業の創出を図っていくことも盛り込んだところでございます。
    また、スマートヘルスシティの取り組みにつきましては、規制改革の遅れが原因で、日本が先進国から大きく遅れていると言われている治療アプリ、予防アプリにフォーカスした「デジタルヘルスファンド大阪」を民間の出資により、今年度末を目途にスタートさせる予定でございます。
    当初の目標を大きく上回る出資企業も集まりつつあり、万博に向けてデジタルヘルス系スタートアップの創出に努めてまいります。
    今後、これらヘルスケアの取組みの着実な推進により、誰もが健康でいきいきとした生活を実現できる社会をめざしてまいります。


    (4)アート、スポーツ、文化等についての取組み
    ①大阪の成長に向けた取組みについて問う。
    (政策企画部長答弁) 大阪の成長に向けましては、「大阪版万博アクションプラン」に掲げる項目について、各部局と連携し、その施策に最優先で取り組むとともに、政策企画部自らも、スタートアップやアートについてモデル事業を実施するなど、成長を加速させるための先駆的な取組みを進めております。
    「スタートアップ」につきましては、大阪・関西の強みである大学等の集積を活かし、今年度、新たにディープテック分野のスタートアップの創出・育成に向けた支援体制を検討しているところでございます。来年度は、その結果を踏まえ、企業版ふるさと納税等も活用し、具体的な大学等の研究シーズの掘り起こしや、事業化に向けた支援に取り組んでまいります。
    また「アート」につきましては、国内外から人や投資を呼び込むという観点から、議員お示しのモデル事業を実施し、アートフェアに海外ギャラリーを誘致する際の課題や今後の出展可能性などを調査しているところでございます。来年度その結果も踏まえ、大阪の都市格向上に向け、どのようにアートを活用できるか検討してまいります。
    引き続き、全庁挙げて「大阪版万博アクションプラン」の取組みを進めるとともに、現在実施中の「大阪の新たな成長分野に係る調査分析」の結果等も踏まえながら、新たな分野の事業にも機動的に挑戦し、大阪の持続的な成長の道筋を確かなものとしてまいりたいと思います。


    ②万博に向けたスポーツツーリズムの推進について問う。
    (府民文化部長答弁) 大阪が国内外から注目される大阪・関西万博を絶好の機会と捉えまして、スポーツが持つ魅力や発信力を積極的に活用し、万博の機運醸成や大阪への誘客促進を図っていくことは重要と認識しておるところでございます。
    このため、世界的に人気のアーバンスポーツに着目いたしまして、大阪ゆかりの選手とともに多くの方が参加・体験できるイベントを本年1月堺市で実施したところでございます。さらに来月には、世界のトップ選手が登場いたします大阪初の大規模イベントを、インテックス大阪で開催することとしておるところでございます。
    加えまして、来年度は、大阪市と連携し、アーバンスポーツを中心に、誰もが楽しめるスポーツイベントを、万博のPRとあわせて、大阪城公園などの発信力の高い市内中心部の施設や、府民に身近な大型商業施設等で開催いたしまして、スポーツツーリズムの推進を図ってまいります。
    今後、府内市町村とも緊密に連携しながら、万博に向け、スポーツの持つ力で、万博の機運醸成を図りますとともに、大阪の人とまちの成長を牽引できるよう、しっかりと取り組んでまいります。


    ③文化芸術の振興について問う。
    (府民文化部長答弁) 「大阪・関西万博」に向けまして、府内各地で文化芸術を活用した魅力向上や発信に積極的に取り組み、万博の機運醸成を図りますとともに、大阪の成長、発展につなげていくことが重要であると考えております。
    そのため、来年度は、大阪市とも連携し、様々な文化芸術プログラムをより充実させ、万博への機運を高めつつ、文化芸術活動の一層の活性化を図ってまいります。さらに、取組みを段階的に拡充し、万博の開催期間中におきましては、大阪全体で文化芸術が繰り広げられる大規模な祭典の開催へとつなげてまいります。
    加えて、市町村とも連携し、地域にある文化財を舞台とした公演等を行うなど、各地域の文化資源の魅力を一層高め、万博のインパクトも活用しながら、府内各地への誘客を図ってまいります。
    こうした取組みにより、万博の開催に向け、大阪の多彩で豊かな文化芸術の魅力を国内外に向けて強力に発信し、文化芸術の力で活力ある未来を切り拓き、大阪の成長につなげていけるよう、しっかりと取り組んでまいります。


    (5)「大阪府在日外国人施策に関する指針」の見直し
    ・「大阪府在日外国人施策に関する指針」の見直しについて問う。
    (府民文化部長答弁) 本府では、在日外国人施策に関する指針を策定いたしまして、すべての人が人権を尊重し、国籍、民族等の違いを認めあい、ともに暮らすことのできる共生社会の実現をめざし、取組みを進めてまいりました。
    本指針の改正にあたりましては、これまでの基本的理念を踏まえつつ、外国人数の増加や多国籍化などの社会状況の変化、さらにヘイトスピーチの解消、多言語によるコミュニケーション支援など、今日的課題にも対応していく必要があると認識しておるところでございます。
    そのため、今般、学識経験者や在日外国人の方などで構成する有識者会議をはじめ、多文化共生を推進される団体などから幅広くご意見をお伺いしながら、新たに多言語による情報提供の充実のほか、人権尊重意識の一層の高揚を図りますための取組みを指針改正案に盛り込み、パブリックコメントを実施したところでございます。
    今後、議会でのご議論や、これまでに頂いた様々なご意見を踏まえまして、年度内に指針を取りまとめ、在日外国人施策の推進に関係部局とも連携しつつ、しっかりと取り組んでまいります。


    (6)外国人材の活用
    ・今後の大阪経済の発展を見据えた外国人材の活用について問う。
    (商工労働部長答弁) ポストコロナ社会へのシフトに向け、社会経済活動は再び活発化しており、労働力の不足が強く懸念されます。
    特に、中小企業の活動を支え、今後のグローバル化に対応していく人材が不足しており、優秀な人材を確保していくためには、日本人のみならず、高度な知識、技術を有する外国人材の活用がカギと考えます。
    このようなことから、即戦力となりうる外国人留学生と府内企業のマッチングを行い、ロールモデルとなるリーダー候補の人材の採用を促進する、「外国人材受入加速化支援事業」を実施いたします。
    また、外国人労働者については、日本人よりも離職率が高いというデータもあり、地域との共生という側面も意識しつつ、就職後の定着が図られるよう、課題を明らかにしてまいります。
    このような取組を通じ、産業を支える人材の確保や強化を図り、ポストコロナの大阪の成長をめざしてまいります。


    (7)新産業の創出
    ①スタートアップのグローバル展開支援について問う。
    (商工労働部長答弁) 将来、ユニコーンに成長する規模拡大型スタートアップを輩出するためには、国内のみならずグローバル市場への進出に向けた支援が必要です。なかでも、グローバル展開に優位とされる、先端技術を活用したスタートアップであるディープテックへの支援が重要であり効果的と考えます。
    この認識のもと、令和5年度、「グローバルスタートアップ成長支援事業」においては、海外進出に向けた必要な事業計画・連携メニューの洗い出しから、その具体化へと、伴走型支援を行ってまいります。さらにこれらのスタートアップを、CVCと言われる企業の投資部門へとつなぎ、事業連携や資金調達を促進させる取組を展開してまいります。
    これら支援を総合的かつシームレスに行うことにより、支援手法の蓄積を図り、成長モデルとなりうるスタートアップの創出に取り組んでまいります。


    ②水素関連分野への中小企業の参入拡大について問う。
    (商工労働部長答弁) 水素は、発電や合成燃料、モビリティなど、幅広い産業分野での利活用が期待されており、ビジネスチャンスの拡大が予想されることから、府内中小企業の水素関連分野への参入に向けた支援は重要と考えます。
    今年度実施しているカーボンニュートラル技術開発・実証事業においては、水を電気分解して効率的に水素を製造する技術や、ドローンなどに活用が期待されている燃料電池向けの水素高速充填装置などについて、府内中小企業も参画し、技術開発を進めています。
    今後、府内中小企業のビジネスチャンスの創出・拡大に波及させるため、万博での発信・実証や、その後の社会実装に向けた取組を促進すると共に、研究開発の中心となる大企業などとの連携を促すことで、大阪の成長と脱炭素社会の実現につなげてまいります。


    ③未来医療国際拠点の意義とPRについて問う。
    (商工労働部長答弁) 再生医療の実用化は、これまで治療法がなかった難病の克服などをもたらし、また、その産業化によって、医薬や医療機器のみならず、細胞の保管や輸送など幅広い分野での経済波及効果が期待できます。
    一方で、再生医療の多くは、まだ研究開発段階にあり、府民の理解も十分浸透しておらず、産業化の進展には、府民に再生医療の現状や将来の可能性を正しく伝え、関心と理解を深めてもらう、社会受容性の向上が重要です。
    このような考えのもと、未来医療国際拠点を中心に情報発信を戦略的に推進するため、2025年大阪・関西万博とその後も見据えた計画を今年度策定することとしており、来年度は、再生医療の現状や大阪・関西の強みを伝えるコンテンツ制作、理解促進のためのイベント開催などに取り組みます。
    併せて、万博との親和性も踏まえ、国とも連携して、再生医療のポテンシャルを発信し、未来医療国際拠点形成の意義の浸透を図ってまいります。


    ④SDGsビジネスの支援について問う。
    (商工労働部長答弁) 国連の持続可能な開発委員会によれば、2030年のSDGs関連の世界市場規模は、年間12兆ドルと試算されており、あらゆる分野の企業にとって、大きなビジネスチャンスとなりうるものです。
    府としても、府内企業にSDGsビジネスの挑戦を促すため、自社で賄えきれない技術や資金調達に直面する企業と、協業先となりうる企業や金融機関等とのマッチング機会を提供し、事業化を支援してまいりました。
    また、SDGsへの貢献も掲げる大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン「リボーンチャレンジ」では、SDGsビジネスに意欲をもつ大阪の中小企業の参加も多く期待されています。
    こうした状況を踏まえ、関係機関とも連携し、食などの「いのちやくらし」の分野など、万博も見据えSDGsに関連するビジネスの創出支援に貢献できるよう引き続き取り組んでまいります。


    (8)脱炭素社会の実現
    ①脱炭素ポイント制度について問う。
    (環境農林水産部長答弁) あらゆる主体と連携して府域のカーボンニュートラルを実現するためには、消費者の意識改革・行動変容が不可欠であり、また、それによって誘導される事業者側の変革も期待されます。
    本事業につきましては、現在、今年度実施した実証事業の検証を進めております。この結果も踏まえ、来年度は脱炭素ポイント制度推進プラットフォームを活用して、ポイント付与が適当な商品・サービスの考え方や周知啓発手法等を記載したガイドラインを作成いたします。
    さらに、来年度はポイント原資の一部を補助することにより脱炭素ポイントに取り組む事業者の倍増をめざすとともに、府民をはじめ供給サイドの店舗従業員への周知啓発も強化し、効果的かつ持続的な脱炭素ポイント制度を構築してまいります。


    ②カーボンニュートラルポート(CNP)形成に向けた取組みについて問う。
    (大阪港湾局長答弁) 大阪港湾局では、堺泉北港、阪南港、大阪港の各港におけるCNP形成計画(案)を府市一体で作成し、今年度中の策定に向け、現在パブリックコメントを実施しているところでございます。
    この計画(案)では、CO2排出量の推計やその推計値をもとにした削減目標、目標達成に向けた削減計画、現時点で想定されている取組をロードマップとしてとりまとめたところでございます。
    府営港湾である堺泉北港では、立地する民間事業者が大阪・関西万博をインパクトに次世代エネルギーの本格運用に向け取り組んでいることなどを踏まえ、水素等の輸入拠点とし、阪南港、大阪港へ供給することについて検討する方針をCNP形成計画(案)に盛り込んだところでございます。
    今後、大阪・関西万博を契機とした取組や、脱炭素化に資する技術の進展等を踏まえ、港湾法の改正に伴い来年度新たに設置する「港湾脱炭素化推進協議会」を通じ、国や民間事業者と連携し、CNPの形成に向けて積極的に取り組んでまいります。


    (9)新大阪駅周辺地域のまちづくり
    ・新大阪駅周辺地域のまちづくりの今後の進め方について問う。
    (大阪都市計画局長答弁) 新大阪駅周辺地域のまちづくりにつきましては、令和4年12月の「都市再生緊急整備協議会会議」におきまして、新大阪駅エリアだけでなく、次に続きます十三駅エリア、淡路駅エリアも含めたまちづくりのロードマップを確認し、協議会のもと設置しました「まちづくり検討部会」を中心に、具体的な検討を進めていくこととしたところでございます。
    まずは「新大阪駅エリア」におきまして、都市再生制度の活用による民間都市開発の具体化を着実に進めていくとともに、先日開催いたしました「まちづくりセミナー」などを通じて、さらなる開発機運の醸成を図っていきます。
    また、新幹線新駅の位置が示されれば、具体的な駅周辺の空間につきまして検討を進め、新大阪駅エリア計画を更新し、取組みを進めていきます。
    今後とも、リニア中央新幹線、北陸新幹線の動向等を注視しつつ、関係者で連携・協力のもと、世界有数の広域交通ターミナルのまちづくりの実現をめざしていきます。
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